私たち日本人は、真面目で勤勉な人が多いと言われます。
しかしその一方で、何においても完璧にこなすことを求めてしまう完璧主義の陥ってしまい、苦しんでいる人がいるのも事実です。
この「完璧主義」と聞くと、「なんでも完璧に成し遂げる人」と思いがちですが、全く逆で、「完璧に行おうとする気持ちだけが先行して、行動を起こせなくなる人」なのです。
要するに、完璧主義者こそ完璧から遠い存在だったということです。
私を含め、完璧主義者の人は周りに多くいるはずです。
今回は「完璧主義」についてのお話です。
完璧主義の弊害と対策についてお伝えします。
何かの参考になれば、嬉しく思います。
完璧主義の弊害
完璧主義に陥ると、必要以上に自分に厳しくなります。
そして、行動ができなくなります。
頭の中では、「〇〇をやらなければならない」や「〇〇をやるべきだ!」と考え、常に自分を追い詰めようとします。
追い詰められると、心が重くなり、なかなか行動に移せなくなるのです。
よく言う「やろうとは思うのだけど、なかなか行動できないんだよね」がそれです。
この行動できない原因を細かく分解すると、完璧主義には5つの罠があります。
- 悩みすぎて決断できない
- サンクコスト(埋没費用)に弱い
- 挑戦しない
- 周囲から嫌われる
- 失敗を引きずる
悩み過ぎて決断できない
完璧主義者は、最高の決断をしなくてはいけないと考えます。
最高と言える決断というのは、なかなかできることなんてなく、
完璧主義に陥ると、決断できないで終わるということです。
例えば、株式投資の場合、一番儲かる時期を求めるあまり、悩むだけ悩んで、相場を眺めて終わってしまいます。
ある程度の所で決断できていれば、100点までいかなくても、ある程度の80点以上はとれたはずなので、チャンスを潰してしまっていることになります。
サンクコスト(埋没費用)に弱い
私も昔、サンクコストバイアスにかかっていました。
以前に買った高額なモノを捨てることができないのです。
昔の服は、色や形が今の流行にマッチしないし、タンスの肥やしになってしまっているので、捨てることがいいのに、捨てられないでいる。
買った当時、高い買い物だったので、捨てられないのです。
捨ててしまえば、スッキリとした気分になれます。
いよいよ着ることがないと判断して、捨てることができました。
もっと早く捨てても良かったなぁと思っています。
このように、完璧主義になると、適切な損切りができないのです。
判断能力が低下してしまうのですね。
挑戦しない
完璧主義の人は、何か行動をしようとする場合、完璧に準備をしようとします。
しかし、世の中には完璧な準備など存在しません。
挑戦せずに、準備に時間と気を取られているうちに、チャンスを逃してしまいます。
完璧主義の人(過去の私)は、リスクを嫌います。
それなのに、ハイリターンを望んでいます。
ノーリスク&ハイリターンなんてありえません。
もしあったとしたならば、それはおそらく詐欺です。
要するに、挑戦しないので、得られるものがないということです。
周囲から嫌われる
完璧主義になると、「〇〇すべき!」と考えるので、自分に厳しくなります。
だけど、行動できない状況に陥ります。
その厳しさだけを他人にも課してしまいます。
他人にも完璧を求めてしまうのです。
過去の私は、残念なことに、これを家族にしていました。
「〇〇であるべきだ!」と考えていたので、妻と子どもたちを抑え込みました。
より良くなるはずと思っていましたが、逆でした。
私と子どもの関係性は悪くなっただけです。
私は、過ちに気づき、各自の考えを尊重するようにしました。
すると、家の中が以前より明るくなり、困難があっても、みんなで乗り越えるようになったのです。
失敗を引きずる
完璧主義の人は、準備に時間とお金をかけた挙げ句、行動しないので、失敗に終わります。
この失敗に、繰り返し悔やむ反芻思考(はんすうしこう)に陥り、決断が怖くなって、さらに行動できなくなるのです。
これらのように、真面目に考えすぎることで、弊害が生まれます。
思考を少しだけ改めることで、完璧主義から脱し、楽に行動できるようになります。
完璧主義対策
私たちの行動を邪魔する完璧主義は、対策することができます。
- 成功から学ぶ
- 自分基準を設ける
- 小さな改善を狙う
- 反芻思考(はんすうしこう)をやめる
成功から学ぶ
完璧主義の人は失敗からではなく、成功から学びましょう!
それも他人の成功ではなく、自分の成功体験を参考にします。
どんな小さな成功体験でもいいので、思い起こしてみましょう。
私の場合は、筋トレを続けたことで、ほんの少し筋肉が着いたことや、毎朝のランニングを継続することが苦ではないことなどです。
そうすると、完璧な準備をしなくてもできることがわかります。
準備はそこそこに、行動した方がいいと考えるようになります。
何か障害が発生したとしても、そのときに考えて対処することで、なんとかなるのです。
まぁ、やってみないとわからないよねって感じですね!
自分基準を設ける
自分基準というのは、自分の経験から得た良い結果になりやすい方法をとることです。
例えば、食べ物屋さんに行った時、わざと自分が選択しないメニューを頼んでみると、結構イケるということだったり、
安いもので選んでいたのを、本当に欲しい物を選んだ方が、お金よりも価値があったとか。
小さな改善を狙う
完璧主義だと、自分を大きく変えたくなります。
小さな事をちまちまやっていても仕方ないと考えてしまうのです。
しかし大切なのは、小さなことを積み上げることです。
行動を継続することです。
小さな改善に目を向けて、行動しやすくすることが大切です。
反芻思考(はんすうしこう)をやめる
完璧主義の人は、失敗や欠点が頭の中でぐるぐると繰り返し回ります。
これが続くと、メンタルがやられます。
そうならないためには、
- 失敗してもいいや
- 劣っていてもいいや
と考えることです。
他人を気にしないことが大切です。
過去に、私は反芻思考に悩まされました。
職場の人間関係のストレスが原因でした。
自分に優しくするように考えたり、瞑想をすることが効果的です。
まとめ
完璧主義は、完璧を求めようとするあまり、完璧から遠ざかってしまいます。
色々と考えたり、
自分に厳しくしたり、
準備に時間とお金を要したり、
リスクを嫌ったり、
行動を妨げることばかりをします。
この完璧主義対策として、
- 成功から学ぶ
- 自分基準を設ける
- 小さな改善を狙う
- 反芻思考(はんすうしこう)をやめる
です。
他人を気にしないようにして
- 失敗してもいいや
- 劣っていてもいいや
と考えることも大切です。
行動するには、小さなことを積み上げていったり、
何か障害が起きたらその時考えればいいやと、とにかく行動を始めることが重要なのです。
完璧でなくてもいいと考えることが完璧主義から脱する一番の近道なのです。
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