日本で住む私たちは、いい大学を卒業して、大企業に就職することを目標に、一生懸命に学業に専念していた。
いい会社に就職さえしてしまえば、残りの人生は安泰と考えていました、今までは。
トヨタ自動車の豊田章男社長や経団連の中西宏明会長が、「終身雇用の限界」を訴えています。
半世紀以上もの間、リストラをしてこなかった大企業のトヨタ自動車がです。
今後間違いなく、日本的雇用のあり方に変化が起こるでしょう。
本記事では
- このままでいいのか悩んでいる方
- この先の事が不安の方
- 何も考えていない方
に向けて、私が考える今後に起こりうることに対処する事をお伝えします。
何かの参考になれば幸いです。
本記事を読み進めることで
- 今後のことを考える
- 自分のスキルアップをする
- 一つの会社に依存しなくなる
ようになります。
しばらくの時間、お付き合いくださいませ。
はじめに結論を申し上げますと
- 転職できるようにする
- 起業も考える
- 資産を増やす
ということです。
詳細は後述していきます。
終身雇用だから会社にコミットしていた
日本的な雇用の特徴とされる新卒一括採用、終身雇用、年功序列、定年というのはガラパゴス的な労働慣行です。
人口の増加と高度成長がなければ成り立たないモデルであり、少子高齢化問題を抱える現代において、その前提はとっくに壊れています。
今まで、私たちは、自分の時間を削って、サービス残業や休日出勤をしてきました。
嫌なことがあっても、頑張って働きました。
そこまでやれたのは、「終身雇用の約束」があったからです。
当初、60歳までの約40年間働くことで、退職金と年金の支給で、ゆっくり老後を満喫できるはずでした。
しかし、時代の変化で、少子高齢化となり、高齢者を支える現役世代の人口が少なくなっていくことが、わかっています。
平成以降、4回の消費税増税が繰り返されましたが、年々増加する社会保障費を賄うことは難しいのです。
今では、定年70歳を努力義務として、企業に課しています。
人生100年時代のうち70歳まで働かなければ、暮らしていけないのです。
当初の人生設計から大きくズレている状況になっています。
今後、終身雇用制度を廃止する企業が増えていくと思いますが、廃止しない企業もいるでしょう。
終身雇用制度の効果
終身雇用制度には、いくつかのメリットがあります。
- 会社への忠誠心
- 帰属意識
私のように、終身雇用を勝手に約束していた社員からすると、「自分の人生は、会社と共にある」と考えていました。
このように終身雇用制度には、大げさかもしれないですが、会社への忠誠心と帰属意識が芽生えます。
このことによって、会社に定着させることができます。
どの企業でも、人の循環はある程度はありますが、長く努めてくれる社員が多いことは、社員教育の効率がよくなります。
これは、企業側にとってとても大きなメリットです。
従業員側は、安定した雇用と収入を得られるので、これもまたメリットになります。
このように、長期雇用を約束されると、精神的、経済的にも安心して働くことができるので、人生設計を立てやすくなり、マイホームなどの高額投資を行うことができます。
終身雇用制度の弊害
終身雇用制度のデメリットもいくつかあります。
- 頑張らない人の創出
- 世間知らずが増える
- 若い社員が評価されにくい
- 長時間労働になりやすい
日本の法律では、雇い入れた人を犯罪や、よほどのことを起こさない限り、クビにすることはできません。
労働者に有利な法律なのです。
この法律を逆手に取って、のうのうと楽をして、会社にぶら下がっている人は、どこの会社にも少なからずいると思います。
このように、終身雇用制度の弊害として、頑張らない人を創出してしまうことがあります。
一見、会社にぶら下がっている人は、得をしているように思えます。
よく考えてみてください。
本当に生産性が悪い人って得なのでしょうか?
私は逆だと考えます。
その理由は、会社に貢献できていない人は
- スキルが上がらない
- ムダな時間を過ごしている
- 充実できていない
- リストラの対象になる
など、残念な人になりえるのです。
全然、得だとは思えません。
終身雇用制度に乗っかっていると、同じ会社の事や風習しか知りません。
会社の風習が全てだと考え、世間一般的で当たり前に行われていることが知ることができないのです。
それは、井の中の蛙であり、世間知らずな人となるのです。
転職や内部移動などを経験していると、凝り固まったローカルな常識に縛られることはなくなります。
終身雇用制度とセットになっているのが、年功序列制度です。
この年功序列制度は、長い期間務めることで、経験や技量が高くなるという原則が基になっています。
年齢が高い人が評価されやすくなっています。
なので、若くて頑張っている人がいたとしても、なかなか評価されづらい状況になっているのです。
若い人には、めげずに頑張り続けていただきたいです。
長い期間働き続けている社員がいると、その人に新たな仕事を頼みがちになります。
それを繰り返しているうちに、次第に仕事量が多くなり、長時間領導につながってしまいます。
人員を増やすタイミングがわからなくなるのです。
ブラックな会社になると、終身雇用制度で雇用している人にサービス残業をさせることがあります。
サービス残業をさせることで、会社は時間単価を安くでき、人件費を抑えることができます。
もちろん、これは違法です。
自分の人生を預けた会社に、過酷な労働を課せられ、人生のための仕事が人生を終わらせてしまうこともあるのです。
終身雇用には、メリットとデメリットがあります。
一生懸命仕事している人にとっては、頑張らない人がいることで、面白くない思いをすることがあります。
しかし、他人のことは気にしないようにして、自分のスキルアップのために、仕事に集中することが大切になります。
経済状況が悪くなると終身雇用は厳しい
終身雇用制度が崩壊するかもしれないと聞いても、聞こえないふりをする人がいます。
その人は、いままでと同じく、このまま定年まで働けると考えています。
というか、そう願っています。
終身雇用制度崩壊を信じたくないのです、
終身雇用制度を解消する会社が増えるけど、継続する会社もあるでしょう。
日本の経済は、平成に入ってから、落ち込んだままです。
出典:文部科学省 総合政策特別委員会(第1回)資料
普通に考えて、従業員を長く雇用するほど人件費が増加します。
終身雇用制度は、人口増加と経済成長で活きてくる制度です。
経済成長の乏しい日本では、難しい状況です。
優良企業ほど早期に手を下してくるでしょう。
実際に、大企業が45歳以上のリストラを実施しています。
対応が遅ければ企業にとって命取りになってしまうのです。
技術の進歩で様々なところで効率化が進んでいます。
- ICT化
- AI、ロボット化
少子高齢化で働き手不足な状況なので、効率化が進んでいるのです。
日本は、このまま放っておいたら全てが駄目になるという状況です。
変化なくしては生き残れないのです、
終身雇用が崩壊しても生き残るために
終身雇用制度が崩壊してもしなくても、良い人間関係だったり、70歳やそれ以上になっても働かなければならなくなったとしても、自分が幸せを感じることができればそれでも良いと思います。
人間関係に問題があったり、これ以上、自分の時間を切り売りしたくないと考えていたりする場合は、それに備えなければなりません。
- 転職
- 起業
- 資産形成(借金はシないほうが良い)
など…
転職して、年収を上げたり、副業や起業して収入を増やすことを考えることは大切です。
浪費を抑え、株式など、資産形成をすることも考えてもいいのでしょう。
まとめ
日本的な雇用の特徴とされる新卒一括採用、終身雇用、年功序列、定年というのは、ガラパゴス的な労働慣行でした。
人口の増加と高度成長がなければ成り立たないモデルです。
その前提はとっくに壊れていて、年功序列は「時間とともに能力や経験値が上がる」という前提に基づいていました。
現在の日本は、平成から30年以上、経済が低迷しています。
この状態が続いているので、日本の大企業でも、終身雇用制度は続けられないと言っているほどです。
少子高齢化時代に突入し、時代は変わっているにも関わらず、今までと何も変わらず、変化しない企業は、これからの時代、生き抜くのは厳しくなるでしょう。
各個人も変化が必要になります。
転職や副業、企業や資産形成が必要に迫られています。
差し迫ったリスクに目を向けずにいると、大変な思いをする可能性があります。
収入が少なくても、環境が良く、幸せであれば、そのまま流されてもいいと思います。
各個人は自由ですから、今後に備えたり、今を謳歌するのも自由なのです。
しかし、考えることをしてもいいのだと思うのです。