この世に産まれた多くの人は、成長し、社会に出て、結婚、子育てをします。
約20年後、小さく自分では何もできなかった我が子が家からでて、社会の荒波の中に入っていく姿を見ると、親としてはとても不安になるのは仕方のないことです。
特に母親は、お腹を痛め、産むときも、育てるときも、激痛や疲れた身体を無理やり動かしたりと大変な苦労をしてきたと思います。
妊娠中や、出産後に情緒不安になったりもします。
幼い我が子が落ち着きがなく、何かの病気かと心配になることだってあります。
突然熱を出したり、吐くことだって1回や2回じゃありません。
その子供を心配して、少し取り乱し気味の妻が夜中に病院に連れて行きたがるので、必死に「今行ったとしても、熱冷ましの薬が1日分処方されるだけなので、様子をみよう」と説得しました。
小学校に通い始めると、行動範囲が広がるため、事故の危険性が増します。
最も母親を心配させた出来事は、家の裏の線路の上を歩いていたことです。
その時は電車が走る時間でなかったので良かったのですが、少し違っていたら、この世にはいないかもしれません。
そう考えると、母親は生きた心地がしなかったと言います。
もう少し大きくなると、スポーツをやり始めます。
週末は、当たり前のように、遠征や練習試合があるので、親も帯同しました。
朝早くから弁当作りで、日中は応援。
夕方に帰宅したときは、毎回ぐったりと疲れ果てていました。
中学生になると、帰りが遅い日が増えました。
帰宅しない我が子を心配する母親。
子供に携帯電話を早くから持たせる親の気持ちがわかります。
そしてあっという間に高校受験。
勉強をしない我が子に対し、不安と心配の種が尽きません。
そんな子を冬期講習に通わせたりもしました。
我が子のためなら、多少の出費は痛くも痒くもありません(父親は痛さを感じております)。
めでたく高校に進学すると、朝起きるのが遅いことに気を揉む母親。
夜中まで起きている我が子に対し、「早く寝た方がいいよ」とか「ギリギリにならないように起きなさい」などと、数多くのことを言い聞かせようと、毎日のように言っていました。
そんな母親の心配をよそに、スマホを眺めている我が子であります。
母親がうるさく言っても、右から左です。
3年生になり、部活を引退しても、一向に勉強をしない我が子。
卒業後は大学進学を希望しているのに。
夏休みからやるという詐欺。
秋になって、少しずつ勉強をし始める我が子。
そんな姿を見ると、もちろん心配な母親。
ついつい言ってしまう。
無駄なのに…
結局、ほとんど努力しない我が子は、もちろん不合格。
周りの同級生は、一人、二人と進学が決まっていきます。
中には、無理せず、私立大学に進学する人もいます。
そんな状況に、「楽に行けて良いなぁ」と思ったはず。
我が家のポリシーは、目的のない私立は選択肢から除外です。
なので、国公立しか選択肢はありませんでした。
我が子もそうですが、母親も私立でもいいので進学させたいと思っていたでしょう。
楽に進学するよりも、苦労して進学し、楽に就職することの方がいいと私は言っていました。
結局、一浪して、何とか合格できました。
もし、今回も不合格だったら、二浪はモチベーションが続かず無理と言っていました。
めでたく進学できた我が子ですが、家からは通うことができないので、寮生活になります。
産まれてから19年もの間一緒に生活してきましたが、今回、巣立つことになったのです。
巣立っていく我が子に対し、少し様子がおかしい母親について
子供の引っ越しの準備を進めていく中で、時折、「あれっ、何かおかしい…」と思わせ事がありました。
何もしてこなかった父親目線で自分勝手に、母親の強い母性愛についてお話していきます。
我が子の巣立つ準備を進める母親の気になったところは以下のとおりです。
- 完璧な準備をしようとする
- 我が子に口うるさくアドバイスをする
- いらないものまで用意しょうとする
などです。
あれこれと、色々な場面を想定して、必要な物を買い揃えていくわけですが、新生活を始めてから欲しくなる物だってあるわけです。
それなのに、欲しくなるであろうものまで準備しようとするのです。
スマホをひっきりなしに見ている我が子に、「たまに遠くを見たほうがいいよ!」とか「夜中まで起きていないで早く寝なさい」などと、わかりきったことを口うるさく言っていました。
口頭で我が子の行動を改めようとしているのです。
そんなので直せるのなら、すでにやっているはずです。
母親の愛が強すぎる!
可愛い我が子に失敗してほしくない
かわいい我が子には、できるだけ苦労してほしくないのが親心です。
でも、失敗しないようにしてあげるのは間違いです。
失敗から学ばないと、自分のものになりません。
いつも親と一緒に行動するわけにはいきませんから。
一人で何でもできるようにならないとです。
言葉で言い聞かせようとしてもダメです。
子供は幼い頃から、色々と言い聞かされて、成長してきました。
成長したにもかかわらず、成長前にしていたアドバイスには耳を貸しません。
それに、言葉だけでは伝わらないことが多いのです。
実際に経験して、理解できるようになるのです。
ひつこく、口頭アドバイスをしていると、煙たがられるのがオチです。
言葉少なめに見送ってあげましょう。
かわいいから甘やかす
我が子はいつになってもかわいいと思うでしょう。
甘いお菓子を食べて、笑顔になる姿を見るのが幸せの人もいると思います。
私はあまり砂糖を摂ることは、脳やメンタルによろしくないので、できるだけ食べさせないようにしたいです。
しかし、母親ときたら、今日だけといい、家にあるお菓子の箱いっぱいにチョコレート菓子、クッキーなどを補充します。
砂糖中毒のわが子は短期間で食べ尽くしてしまいます。
砂糖はマイルドドラッグといって、中毒性があり、あまり食べすぎるとよくありません。
いくらかわいい我が子であっても、与えすぎてはいけないのです。
可愛いからこそ、与えないようにするのです。
参考記事:砂糖は魔法の食品だけど、老化・糖尿病・がん・イライラの原因になる【砂糖による体への影響】
手を出しすぎる
母親は、何もできなかった頃のわが子の姿を今のわが子に重ねているのだろう。
昔を同じく、なんでもやってあげるのです。
その日に着る衣服の準備を母親がやってしまいます。
我が子は出された服を着るだけ。
自分でやらせたほうが良いのに母親がやってしまうのは、よろしくないと思います。
洗濯までやってあげて、乾いた衣服を我が子にわたす。
もっと我が子にやらせて良いのです。
母親がやらなければ、自分でやるようになります。
母親がやってくれるのでという、最後の甘えなのかもしれません。
寮生活になって、母親のありがたみを感じることができるでしょう。
いつも居るはずのわが子がいない
我が子を寮に送り出して、夫婦ふたりで帰宅したときのこと。
我が子の部屋へ行くと、いるはずの我が子が部屋にいない現実を叩きつけられる衝撃。
虚無感、寂しさ、なんとも言えない初めての感覚です。
簡単に行ってしまえば、我が子がいなくなって寂しいということ。
それに耐えきれないのか、疲れ切っていたにも関わらず、母親は、部屋をきれいにし始めるのです。
模様替えを始めたのです。
別のわが子が帰省してもいいようにと言いますが、寂しさを紛らわすためなのでしょうね!