私は、以前、コレステロール値が高く、長期間悩んでいました。
少しでも、数値を改善するため、普段から運動を心がけ、食事にも気を使っていました。
その他の食品についても、健康に害を及ぼす可能性があるかのしれないと思い、調べてみました。
そのひとつに「トランス脂肪酸」という普段聞き慣れない単語を見かけました。
いったい、トランス脂肪酸とは何者なのでしょうか?
本記事では
- 食品の健康被害について興味のある方
- トランス脂肪酸について、詳しく知りたい方
- 健康に気をつけている方
に向けて、トランス脂肪酸の悪態ぶりをご紹介したいと思います。
何かの参考になれば幸いです。
本記事を読むことで
- 健康のために、避けた方が良い食品がわかる
- 今まで気軽に食べていたものを食べないように気をつける
今回、「トランス脂肪酸」について調べてみましたので、解説したいと思います。
結論から言いますと、トランス脂肪酸は避けた方が良いです。
その理由は下記のとおりです。
トランス脂肪酸とは、トランス型という化学式の構造をした脂肪酸です。
人工的に生成された油脂で、取り入れると、体はうまく処理できません。
そのため、様々な悪さをします。
特に、心疾患のリスクを上げます。
このことは、アメリカでは30年前からわかっていました。
トランス脂肪酸が健康に及ぼす影響
人の細胞はすべて脂の膜で覆われています。
特に、脳は脂っぽい臓器で、60%が脂でできています。
摂取する脂はとても重要です。
魚などの良質な脂を摂取することをオススメします。
それとは反対に、トランス脂肪酸を摂取することは、健康を害するリスクがとても大きいです。
うつ病、認知症など、脳へのリスクがあり、
アレルギー疾患、超尿病、不妊症、発がんのリスクを高めるなどの報告もあります。
コレステロールとの関係
トランス脂肪酸の摂取量が増えるほど、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)濃度を上昇させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)濃度を低下させます。
WHOでは、動脈硬化を促進し心疾患の危険性を高めることが確認されています。
その他、ラット実験では、環境ホルモン作用、脳卒中促進作用、寿命短縮作用も確認されています。
トランス脂肪酸によって、健康に及ぼす影響がとても大きいといえます。
トランス脂肪酸の規制
WHO(世界保健機関)は、トランス脂肪酸の1日の摂取量を総エネルギーの1%未満にするべきとしています。
さらに、WHOは、2023年までに全廃するとしています。
他では、ドイツは、トランス脂肪酸を含むマーガリンの製造は禁止
デンマーク、スイス、オーストリアは、油脂中の含有量を2%以下
カナダは、マーガリンの含有量を2%以下
アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、韓国、香港、台湾、中国は、表示基準を設けています
ニューヨークでは、外食店に対し、トランス脂肪酸を含む食品の使用禁止を要請しています
一方、日本でのトランス脂肪酸の規制はありません。
日本におけるトランス脂肪酸に関する評価
世界で規制しているのに、なぜ、日本では規制がないのでしょうか?
農林水産省は食品に含まれるトランス脂肪酸に係る食品健康影響評価を出し、それをまとめると
- 平均的な日本人の食事摂取量は少ないから危険性はない
- 脂質に偏った生活の人は、注意したほうが良い
- 海外では疾病リスクが報告されているが、日本では疾病リスクとの関係性は明らかではない
となります。
日本人は、平均してエネルギーの摂取量が少なく、トランス脂肪酸の摂取も1%未満なので、規制しなくても大丈夫との結果です。
しかし、この結果は、あくまでも平均なので、現代の生活背景では、外食が多かったり、トランス脂肪酸が多く含む食品をよく口にする人は、WHOの基準を大いに超えます。
日本の規制の遅れに対して、疑問を抱く方は少なくはない。
食品業界との関係があるのかもしれませんが、規制する方向には至っていないようです。
国内外におけるトランス脂肪酸に関する調査や規制等の状況を踏まえ、我が国においても、食生活の変化により若年層のトランス脂肪酸の摂取が増えていると考えられることから、食品安全委員会は2010年3月にトランス脂肪酸に関し自ら食品健康影響評価を行うことを決定し、2012年3月に評価書を公表しました。評価結果の概要は以下の通りです。また、評価結果の詳細については、食品安全委員会のページをご覧ください。
- トランス脂肪酸には多くの種類が存在し、個々のトランス脂肪酸について食品健康影響評価を行うには知見が足りないため、トランス脂肪酸全体として評価を行った。
- 平均的な日本人より多いトランス脂肪酸摂取量を基にした諸外国における研究結果によれば、トランス脂肪酸の摂取により、冠動脈疾患の発症については増加する可能性が高いと考えられた。また、肥満、アレルギー性疾患についても関連が認められたが、その他の疾患については、その関連を結論できなかった。更に、妊産婦、胎児等に対しては健康への影響が考えられた。しかしながら、現時点の平均的な日本人の摂取量において、これらの疾病罹患リスク等と関連があるかは明らかでない。
- トランス脂肪酸の摂取量について、日本人の大多数がWHO の勧告(目標)基準であるエネルギー比の1%未満であり、また、健康への影響を評価できるレベルを下回っていることから、通常の食生活では健康への影響は小さいと考えられる。しかしながら、脂質に偏った食事をしている個人においては、トランス脂肪酸摂取量のエネルギー比が1%を超えていることがあると考えられるため、留意する必要がある。
- トランス脂肪酸はヒトに不可欠なものではないことから、できるだけ摂取を少なくすることが望まれる。しかし、脂質は重要な栄養素であることから、脂質全体の摂取バランスにも配慮した、栄養バランスのよい食事を心がけることが必要と考える。
- 食品中のトランス脂肪酸含有量については、全体として近年減少傾向にあるが、一部製品においては10%を超える製品もあることから、食品事業者においては、引き続き食品中のトランス脂肪酸含有量の低減に努める必要があると考える。
- リスク管理機関においては、今後とも日本人のトランス脂肪酸の摂取量について注視するとともに、引き続き疾病罹患リスク等に係る知見を収集し、適切な情報を提供することが必要である。
- なお、食品中のトランス脂肪酸低減に伴い、含有量の増加傾向が認められた飽和脂肪酸については、「日本人の食事摂取基準(2010 年版)」での目標量の上限を超える性・年齢階級があることから、今後とも留意が必要である。
トランス脂肪酸登場の背景
当時、心疾患と動物性油脂の飽和脂肪酸(低温で固まる油脂)の相関が問題となっていました。
そのため、健康的な油脂として、植物油脂に人工的に水素添加してできたトランス脂肪酸が多く含むマーガリンやショートニングなどがバターに代わるものとして普及しました。
トランス脂肪酸に期待された事
- 飽和脂肪酸の含有量が少ない
- リノール酸が多い
- コレステロールを含まない
- 日持ちする
- 安価
心疾患リスクのことを考えて登場しましたが、研究によると、トランス脂肪酸は飽和脂肪酸よりもリスクが高い結果となっています。
トランス脂肪酸を多く含む食品
トランス脂肪酸を多く含む食品は
- マーガリン
- ファストスプレット
- ショートニング
- その他
その他
パン、お菓子、ビスケット、ドーナツ、フライドポテト、カレールー、チキンナゲット、ケーキ、ホットケーキ、インスタントラーメン、冷凍食品、インスタントスープ、植物性の生クリーム、マヨネーズなど
※ファットスプレッド
マーガリンの一種で油脂の成分がマーガリンより少ないもので、果実、果実加工品、チョコレートなどに使用されています
- ショートニング 31g
- マーガリン 13g
- ファットスプレッド 10g
- 牛脂 2.7g
- バター 2.2g
- チーズ 1.5g
- サーロイン牛肉 1.4g
トランス脂肪酸の恩恵
これまで、トランス脂肪酸の悪い部分ばかりを書いてきました。
しかし、ファーストフードやインスタントラーメンなど、美味しいものを安い金額での提供を受けられるのも、トランス脂肪酸のお陰です。
いままで、私の空腹を満たしてくれて、ありがとう。
トランス脂肪酸を避けよう!
私達の周りに非常に多く存在しているトランス脂肪酸
何も考えないでいると、考えているよりも多く体に入ってきます。
トランス脂肪酸を体に入れると、健康に及ぼす影響が懸念されます。
なので、できるだけ、体に取り込まないようにする必要があります。
- トランス脂肪酸が多く含む食品を頭に叩き込んで、普段から買わないようにする
-
外食や弁当では天ぷらやフライ類に注意
トランス脂肪酸を多く含む食品を買わない
パン、お菓子、ビスケット、ドーナツ、フライドポテト、カレールー、チキンナゲット、ケーキ、ホットケーキ、インスタントラーメン、冷凍食品、インスタントスープ、植物性の生クリーム、マヨネーズ、マーガリンなどの食品をできるだけ口にしないようにしましょう。
トランス脂肪酸を多く含む食品は、とても美味しく製造されていて、これらと距離をおくことは、難しいかもしれませんが、できるかぎり食べない工夫をしましょう。
マーガリンは
- トランス脂肪酸ゼロ
- 水素添加油不使用
- 硬化油不使用
のものだと、トランス脂肪酸に関しては安全と言えます。
外食や弁当では天ぷらやフライ類に注意
外食産業ではコストと食感を重視します。
安くて口当たりがよく大衆が好むものを作ります。
スーパーなどで売られている惣菜の揚げ物は、持ち帰って食べるため、「サクサク感」が長持ちする必要があります。
そのために、常温で固まりやすいシュートニングを使用している場合が多くなります。
パン、ケーキ、クッキーやポテトチップス、ポップコーン等にも大量のショートニングが使われています。
ファーストフード店のハンバーガー、フライドポテト、フライドチキン、ピザ、ドーナツにも
外食は、家で作られるものより、インパクトが強く、美味しいく食べることができます。
しかし、そのおいしさと割安な料金の代償として、トランス脂肪酸が多く使われていることが多く、結果として、私達の体を蝕む恐れのある結果になっています。
まとめ:トランス脂肪酸は体に悪すぎ!
トランス脂肪酸の摂取で
うつ病、認知症、アレルギー疾患、不妊症等の一因になっているのではないかと言われて、トランス脂肪酸の摂取量が増えるほど、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)濃度を上昇させ、HDLコレステロール(善玉コレステロール)濃度を低下させます。
要するに、体に悪影響を及ぼすと言うことです。
家で食べている食品で
パン、お菓子、ビスケット、ドーナツ、フライドポテト、カレールー、チキンナゲット、ケーキ、ホットケーキ、インスタントラーメン、冷凍食品、インスタントスープ、植物性の生クリーム、マヨネーズ
などにトランス脂肪酸が多く含まれています。
外食でも、フライなどの揚げ物やファーストフード店のハンバーガーなど(いわゆるジャンクフード)にも多くトランス脂肪酸が含まれた食品が使われています。
トランス脂肪酸は、かなり体に悪影響があるので、口にしないようにすることが大切であす。
普段、これらを食べる習慣があって、急に食べないようにすると、食べるものがなくなってしまう感じです。
一気にトランス脂肪酸を口にしないようにするのが難しければ、少しずつでも減らしていく工夫が必要です。
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