みなさんは、交通事故にあったことはありますか?
「コツン」とぶつかる軽い事故から、「ガシャンッ!」とびっくりするような大きな音で衝突する事故などありますが、交通事故には遭いたくないものです。
いくら自分が気をつけていても、相手からアタックしてくる交通事故もあり、外に出ることがあれば、少なからず、交通事故に遭遇する確率はゼロではありません。
100%相手の過失であっても、もらい事故の当時者は、色々と面倒な処理をしなければなりません。
その中で、ストレスになるのは、相手の保険会社との示談交渉です。
本記事では、
- 交通事故の示談交渉がきがかりな方
- 相手の保険会社が思うように言い分を聞き入れてくれないと悩んでいる方
に向けて、私が経験した示談交渉についてお伝えします。
本記事を読み進めることで
- 示談までの流れがわかるので、不安がなくなる
- 落ち着いて、示談交渉を進めることができる
ようになります。
少しのお時間、お付き合いくださいませ。
はじめに結論から申し上げますと
- 示談交渉に弁護士がいたほうがいい
- 任意保険は、弁護士費用特約オプションに加入したほうがいい
- しっかり確認したうえで、納得してから示談する
ということです。
詳細は後述します。
自分に過失がなければ、示談交渉は自分でやるしかない
被害者側の過失割合が0である場合、保険会社は示談交渉を代行してくれないため、被害者自身で行う必要があります。
普段、事故処理なんてしたことがない人が殆どだと思います。
実際、私もそうでしたので、何もわからない中、自分で対応しました。
それでも、自分が加入している保険会社へ連絡はするので、その担当の方と話す機会はあります。
その担当者は、なにもすることはできません。
だけど私は、簡単な相談に乗ってもらいました。
示談金が低く見積もられる2つの理由
相手の保険会社は、できるだけ示談金を低く見積もってきます。
その理由は
- 保険会社はできるだけ少ない示談金で済ませようとしているから
- 慰謝料を任意保険基準で計算するから
です。
保険会社が提示してきている慰謝料は、「各保険会社ごとの計算方法」(これを任意保険会社基準といいます)で出された金額です。
この任意保険会社基準の慰謝料は最大の金額ではありません。
保険会社により提示される任意保険基準は、最低限の保証のみをする自賠責保険と比べても、変わりないくらい低い金額なのです。
保険会社から提示される示談金は、普段目にすることがない大きな金額で、すぐに示談したい衝動に駆られやすくなるので、決して焦ってはいけませんよ!
こういう時に、「弁護士費用特約」に加入しておくと、安心です。
公益財団法人交通事故紛争処理センターに相談
私は、弁護士費用特約に加入していなかったので、公益財団法人交通事故紛争処理センターに相談しました。
その様子は後にお伝えしますが、所属している弁護士が、無料で応じてくれます。
お困りの方がいましたら、最寄りのセンターに連絡してみるのをおすすめします。
これから先は実際に経験した、私が示談まで経験したことをお伝えします。
正面衝突の事故を経験した
ツイッターに投稿された事故現場の様子(右側に事故車があります)
私は運転免許を取得してから、30年以上経ちます。
その中で、数回の交通事故を経験しています。
自分でぶつけてしまった事故、相手からぶつけられた事故などです。
すべて物損事故で終わればいいのですが、相手に怪我をさせては大変です。
私は、3年半前の1月、雪の積もる中、ホンダフィットという小型車で、助手席に嫁を座らせ、高規格道路を走行していました。
天候が悪いので、100キロ制限のところ、65キロくらいで走っていました。
片側1車線の中央分離帯がない箇所で、対向車線の先から1台の自家用車走っていました。
その車は、ちょうど私達とすれ違おうとした瞬間、突然、私達の目の前に対向車線から勢いよく飛び出してきました。
あまりにも突然のことでしたので、ブレーキとハンドルを操作する時間もなく、正面から衝突したのでした(ガッッッッシャーン!!!)。
エアバックは作動し、車内には運転席、助手席のエアバックがだらりと垂れ下がり、火薬の匂いと白い煙が充満していました。
突然のことで、無いが起こったのか一瞬わからなかった私は、我に返りました。
自分は、生きていて、脚も潰されておらず、体に以上が無いことがわかりました。
その時、嫁が一緒だったことを思い出し、助手席に目を向けました。
そこには、胸を打って苦しんでいる嫁の姿がありました。
苦しんではいたものの、意識があったので、まずは生きててよかったと思いました。
私は、幸いにも手首にエアバックの火薬が飛んで、軽い火傷を負ったくらいでしたが、助手席にいた嫁さんは、その後も胸が痛いと苦しんでいました。
事故を起こした車から出火したら危険なので、事故車両からの避難をしました。
事故現場を通る方々の1人が、救急通報してくれていました。
そして、しばらく経ってから救急車が来て、横たわった嫁と付添の私を乗せ、救急当番病院に運んでくれました。
病院での診断の結果、胸の骨(胸骨)が折れていました。
しばらく病院通いを強いられることになりました。
治療は数ヶ月続けても治らず、痛みも残り、普段の生活に支障をきす状況ままで終了。
症状固定となり、障害が残ったという後遺障害の認定診断書を先生に書いていただき、相手の保険会社へ提出となりました。
ここからが、示談へ向けてスタートになります。
後遺障害認定を受けた後の示談交渉
やはり、保険会社は、私達が素人だと思い、示談金を安く見積もってくるのでした。
示談金額の提示①
相手側の保険会社へ診断書を提出してそれほど期間を要することなく、示談書が送られてきました。
示談金額は、私達素人が想像以上の金額で、すぐにでもサインしそうな金額でした。
事故の事で精神的に疲れ果てていた嫁は、すぐにサインしようと言いました。
すぐにでも終わらしたかったのです。
しかし、私は、提示された金額が妥当な金額なのか、自分側の保険会社へ相談してみました。
いたずらに金額をつり上げるつもりはなく、それ相応の金額であることが確認してみたい考えていました。
不服の旨を伝える①
相談した保険会社の担当の方は、遠慮気味に「一概には言えませんが、もう少し高くても良いのでは」と言ってくれました。
本当に、やりたくないことを頼んでしまったのに、対応してくれてありがたかったです。
示談金を低く見積もられたと感じた私は、示談できないことを相手側の保険会社へ伝えました。
示談金額の提示②
示談できない事を伝えた翌日、相手側の保険会社より連絡がありました。
前回提示した金額の2割増の金額が提示されました。
示談書を送ったので、できるだけ早く返送してくださいとの事でした。
なんだか、早いうちに決着をつけたがっているのを感じました。
そして、遠慮もせずに、再度自分側の保険会社へ相談しました。
不服の旨を伝える②
自分側の保険会社の担当の方から、「それでもまだ低い金額だと思います」とかなり遠慮気味に言われました。
私は、2回目の提示額で十分だと考えていただけに、予想外の回答に驚きました。
嫁は、これ以上の交渉はしなくてもいいので、示談書にサインしたいと言いました。
私は嫁に、私が相場だと思われる金額まで交渉するので、2回目の金額より増えた額は、手数料として私がいただくので、もう少し踏み込んだ交渉をさせてほしいと提案しました。
嫁も了解してくれたので、すぐに相手側に金額が折り合わなわい旨を伝えました。
相手側は、いささかキレ気味になって、最大限の金額なのでこれ以上は無理と言い、交渉は決裂状態に。
廃車になった大好きだったFit
公益財団法人 交通事故紛争処理センター
再々度、自分側の担当の方に連絡をして、これ以上の交渉には応じないと言われた旨を伝えました。
そして、その担当者は、”公益財団法人 交通事故紛争処理センター”に相談してみては?と提案してくれました。
後日、連絡先を調べて、相談申し込みをしました。
すぐに、申込書が送られてきて、必要書類に交通事故の概略等を記載し、送付しました。
少しだけ書類は面倒ですが、正当な示談に向け、頑張るしかありません。
事情確認
予約した時間の少し前に交通事故紛争処理センターへ行きました。
受付をし、待合室で待っていると、担当の弁護士が部屋に入り、その後私は、その部屋へ呼ばれました。
事故の状況、相手側保険会社とのやり取りなどを伝えました。
事情をひと通り聞き終わって、担当の弁護士は、ニヤリと笑顔を見せて、こう言いました。
「保険会社は示談金を低く抑えたいものなのです。あなたの言う通り、もう少し高い金額でも良いと思います」と。
なんだ、やっぱり、もう少し高くなるんじゃないか!と思いました。
そして、次回は相手側の保険会社にも来てもらうこととなり、この日は終了となりました。
双方聞き取り①
約1ヶ月後、の聞き取りです。
相手側の保険会社の担当者が同じフロアに来ています。
言い分が食い違っているので、なんか、嫌な感じです。
交互に弁護士の部屋に呼ばれ、状況を聞かれました。
担当の弁護士が相手側の担当者に示談金額が低い旨を伝えたところ、私の妻がそんなに重症だと知らなかったと寝ぼけたことを言われたそうです。
ただの言い訳ですね!
次回までに、金額を修正して提示していただけることになりました。
双方聞き取り②
前回からさらに1ヶ月後に集合となりました。
前と同じく、交互に弁護士の部屋に呼ばれます。
決着
金額交渉が少しあり、示談金額が決まりました。
相手の保険会社が最大限と言っていた額の2倍になりました。
初回の提示額の2.5倍です。
いやーっ、びっくりです。
まとめ:交通事故紛争処理センターをオススメします
万一、交通事故に遭って、自分で示談交渉しなければならなくなった場合、
- 示談交渉に弁護士がいたほうがいい
- 任意保険は、弁護士費用特約オプションに加入したほうがいい
- しっかり確認したうえで、納得してから示談する
ということになります。
この任意保険会社基準の慰謝料は最大の金額ではないのです。
私は、弁護士費用特約に加入していなかったので、公益財団法人交通事故紛争処理センターに相談しました。
示談までは、時間もかかり、面倒ですが、専門の弁護士に相談してよかったと思います。
困ったときにはぜひオススメします。
それも無料でしたし。